輪るピングドラム 第6話「Mでつながる私とあなた」

輪るピングドラム 第6話「Mでつながる私とあなた」

　入院した久宝阿佐美に出向いた高倉冠葉だったが、彼女は彼に関する記憶を全て失っていた。この事態の裏には、誰かが関わっている…。
　一方、荻野目苹果のパシリとなった高倉晶馬は、荷物を運ぶ手伝いをさせられていた。今日は多蕗桂樹との初夜となる運命らしい。そのために家財道具を彼の家へと運ぶのだ。プロジェクトＭがここに発動する！

ネタばれ感想文

　大量の荷物を運ばされてクタクタになった晶馬が荻野目家で倒れ込み、そこに熱を出した苹果が朦朧として抱きついて来たところで、苹果の母・江里子が帰宅する。初夜、初夜とか言いながら男に抱きつく娘を見るのはどんな気持ちなんだ？

　江里子から色々と話を聞くことで、これまでの疑問の一部が明らかになる。苹果の父・聡が別の暮らしをしていること、多蕗桂樹との関係、苹果の持つ運命日記…。全てにつながるキーワードは、苹果の姉・荻野目桃果だ。
　カレーの日は桃果の命日であり、苹果の誕生日。桃果のことが忘れられず苹果をないがしろにする江里子に対し、未来へ進むべきだという聡。その食い違いは夫婦の関係に亀裂を生んでいく。

　そして多蕗桂樹は生前の桃果の友人だった。それもただの友人ではなく、もっと親しい関係。その関係を発展させた未来を記した桃果の日記が、苹果の持つ運命日記なのだった。
　苹果はバラバラになる家族をつなぎとめるため、桃果になり切ることを決意する。その手段が、運命日記の内容を成就させること。そうすれば家族が元通りになると思っているのだ。苹果の変態的行動は本人の性格によるのだろうが、その動機はとても純粋なものだった。


　一方、久宝阿佐美の現状を目の当たりにした冠葉は、メールの送信者を確かめるために唯と千鶴を呼び出す。しかし彼女たちも何者かに狙撃され、冠葉に関する記憶を失ってしまう。
　そして狙撃者はもちろん、夏目真砂子だ。彼女もペンギンの持ち主らしい。

　謎の一辺は明らかになりつつ、荻野目江里子が高倉家と何か関わりがありそうなことや、ペンギンの正体など、広がっていく謎もあり、まだまだ全貌は見えてこない。