ギルティクラウン-GUILTY CROWN- 第15話「告白 sacrifice」

ギルティクラウン-GUILTY CROWN- 第15話「告白 sacrifice」

　戦う力を示すことで生徒会長に信任された桜満集だったが、問題は山積している。デッドラインが刻一刻と迫る中、限られた資源を効率よく利用し、手早く目的を達成する体制づくりが望まれている。そのために寒川谷尋が提唱したのが、ヴォイドによるランク制だ。
　優れたヴォイドはより多く集団に貢献することが出来る。そしてそうでないものは黙って従うことで集団に貢献すべきだ。そう考える谷尋は集に採用を促すのだが、集は弱いヴォイドしか持たない魂館颯太の顔色をうかがってしまい、決断することができない。

　リーダーとしての決断力を持てず一人悩む集に、校条祭は集の優しいところが好きと告げる。そんなとき、草間花音からの報告で、颯太たちＦランクの生徒たちが勝手に外に飛び出して行ったことを知り、祭と共に彼を連れ戻しに追いかけるのだった。

ネタばれ感想文

　ヴォイドによるランク制を、差別だとして一旦は退けた集だったが、状況は彼に甘さを許してはくれなかった。数多くいる生徒たち。限られたワクチン。そして外側から迫ってくる殺戮の壁。打開策を見いだせぬままでは、ただ座して死ぬのみだ。

　それでも、みんなに気を使う集に対して、祭だけはそれでもよいと肯定してくれた。優しい王様になって欲しいという願いを込めて。誰にも出来ない理想でも、集になら成し遂げられると信じていてくれるのだ。
　だがその彼女は、集に思いと命を託して旅立ってしまった。彼を肯定してくれる支えを失った今、状況を言い訳にして、暴力の支配する体制へ突き進むことは容易なことだ。

　これまでは楪いのりに気を使っていて取り出していたヴォイドも、今回は彼女の抵抗を力でねじ伏せて無理矢理奪う描写となっている。このまま止まることを知ることなく、孤独な王様となってしまうのか？