ラストエグザイル-銀翼のファム- 第16話「Triangulation」

ラストエグザイル-銀翼のファム- 第16話「Triangulation」

　アデス連邦総統ルスキニアが不在の隙をついてアウグスタ・サーラを掌握したケイオスのアメジストこと第五艦隊司令官のヴァサントは、反アデス勢力を糾合し叛旗を翻した。自らの同胞を捨て駒として使い捨てられた報復のためだ。それを、アウグスタ・ファラフナーズの意志を正しく継ぐためという大義名分を盾に、無用な血を流して虐殺を行ったルスキニアを切り捨てる算段と見える。
　サーラからの正体を受けたミリアは、ファムとジゼルを連れてアデス連邦の首都へと向かう。そこには、トゥラン王国の残党たちと、かつてトゥランの帰還民からトゥランの土地を奪われたアデスの民の子孫たちがいたのだった。

ネタばれ感想文

　あえて属州民たちを使いつぶすことで潜在的な敵をあぶり出し、それをヴァサントの許に集めて一気に殲滅するのがルスキニアの作戦だ。そしてその時間を利用して、大地の果てに探し物に出かけている。
　一方、アデスの地に来たファムは、アデスの貧しさと、ルスキニアやリリアーナに強烈な復讐心を燃やす人々に直面し、やるせない気持ちになってしまう。彼らは平和を叫びながらも、彼らの平和の中には、グランレースの姿が見えないのだ。

　戦争は復讐を呼び、復讐は新たな憎しみを呼ぶ。その負の連鎖を、ファムたち過去に縛られない世代は断ち切ることが出来るのか？