恋と選挙とチョコレート第1話「廃部」

恋と選挙とチョコレート第1話「廃部」

　人気のない川べりで密会する治安部と生徒会総務部の人間。相手からは見えない場所からその様子を監視していた扇橋香奈は、彼らが何かと現金をやりとりしている場面をカメラに納める。
　そのことを高藤学園自治生徒会長の毛利夜雲に報告するときを想像しながら夜道を歩いていると、彼女は後ろから静かに走り込んできた車に轢き逃げされてしまった。

　そんな事件があったことも知らず、私立高藤学園進学科2年生の大島裕樹は、今朝も幼馴染の住吉千里に起こされていた。馬乗りになっても起きない裕樹に業を煮やした千里は、首投げの要領で彼をベットから引き落とすものの、別の場所がおっきしているのを目撃してしまった。
　頬に大きな紅葉をつけたまま、木場美冬との待ち合わせ場所に向かった裕樹と千里は、小芝居を繰り広げながら食品研究部（ショッケン）の部室へと向かう。

　朝一から床に這いつくばり、スカートの中身を丸出しにして何かを探しているのは森下未散だ。そんな彼女と会話を交わしている内に、猿江愛、門前仲綺衣、枝川希美と次々に部員がやってくる。
　最後に、大手お菓子メーカー「うまちん」社長の御曹司である夢島朧がやってきて、いつものようにやおい棒の試作品の試食が始まった。

　そんなとき、顧問の東雲葉月がやってきて、ショッケンが廃部になる可能性があることを告げる。

ネタばれ感想文

　その頃、高藤学園自治生徒会では、治安部長が引き起こした大沢事件について、毛利夜雲が生徒会総務部長の辰巳茂平治に追求を受けていた。しかし、自治生徒会財務部長である東雲皐月の登場により形勢は逆転、うやむやのまま議題は流れてしまう。
　この東雲皐月が、次期自治生徒会会長選挙に立候補する公約として、実績の内部活動の廃部もしくは予算縮小を掲げているのだ。

　ショッケンと同じように弱小部に所属するクラスメイトの有明美絵瑠や佐賀玲二の共感を得つつ、東雲皐月以外の候補者を味方につけることを考える裕樹は、経済特待生の青海衣更の鍵を拾うのだった。

　冒頭の事件から一転、お気楽な学園生活が描かれたかと思うと、学園内部の権力闘争が明らかになるなど、どの方向に進むのかがまだよく分からない状況だ。